リーズナブルに美味しいイタリアンを楽しめることで人気のファミリーレストラン「サイゼリヤ」。
全国どこでも見かけるイメージがありますが、実は意外なことに全国すべての県には展開していません。
特に高知県や九州・沖縄エリアなど、現在もサイゼリヤの店舗がまったくない県が存在します。
なぜ全国で人気があるサイゼリヤが、特定の地域にはまだ出店していないのか、その知られざる理由を詳しくご紹介します。
なぜサイゼリヤは高知・長崎・宮崎・鹿児島・沖縄にはないの?
全国的に有名なサイゼリヤの意外な出店状況とは?
お手頃価格で美味しいイタリアンが食べられるとして大人気のファミリーレストラン『サイゼリヤ』。
東京や大阪、名古屋などの都市部を中心に全国的に広く展開されており、幅広い世代に親しまれています。
しかし実は、2025年現在でもまだ店舗がまったく存在していない県が複数あります。
その県とは、
- 高知県
- 長崎県
- 宮崎県
- 鹿児島県
- 沖縄県
の5つです。
特に四国の高知や九州エリア、沖縄などには未だにサイゼリヤの店舗が存在しないことに驚く人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、なぜこの6県にはサイゼリヤがないのか、その背景にある理由を詳しく解説していきます。
【まだサイゼリヤがない5県をチェック】
現在サイゼリヤが未出店の県は以下の通りです。
- 高知県
- 長崎県
- 宮崎県
- 鹿児島県
- 沖縄県
大分県も未出店の県に入っていましたが、2024年12月に初の店舗がオープンしました。
しかし他の5県に関しては、今後の出店計画などはまだ発表されていません。
これらの地域に住んでいる人たちは「なぜ私の県にはサイゼリヤが来ないの?」と疑問に思っているかもしれません。
地元の人々のリアルな声は?
ネット上の声を見ると、 「サイゼリヤがないのが普通だと思っていた」、 「都会で初めてサイゼリヤを知って驚いた」というような、店舗そのものを知らない人も少なくありません。
また一方で、 「ぜひ地元にも出店してほしい!」と願う声も多数見られます。
その一方、 「チェーン店がなくても地元のお店が美味しいから別に困らない」 という地元愛あふれる意見も多く、それぞれの地域の個性が感じられます。
サイゼリヤ、今後は全国展開を拡大する?
サイゼリヤは今後も全国への展開を視野に入れているとされ、特に九州や四国地方への出店に意欲的なようです。
ただし、地域の特性や人口規模、すでに存在している競合店とのバランスなどを慎重に検討する必要があり、簡単には出店が進められない状況です。
特に九州地方には地元チェーンの『ジョイフル』という強力なライバル店があり、その存在がサイゼリヤの出店を難しくしている要因の一つと考えられています。
九州地方の店舗が少ないのは『ジョイフル』の存在が理由?
地元のファミレス『ジョイフル』の強みとは?
サイゼリヤが九州地方でなかなか店舗展開できない最大の理由が、地元に根付いたファミリーレストラン『ジョイフル』の存在です。
ジョイフルは大分県発祥のファミレスチェーンで、九州全域に数百店舗を持つ、地元で非常に愛されているお店です。
低価格で豊富なメニューが特徴で、地域の人たちにとって馴染みの深い存在。
そのため新しいチェーン店が入り込む余地が少なく、サイゼリヤが出店しにくい環境になっています。
サイゼリヤとジョイフルの違いを考える
ジョイフルは和洋中さまざまなジャンルを幅広く取り揃えていて、九州の家庭料理のような味付けのメニューが多いのが特徴です。
一方でサイゼリヤはイタリアンを中心とした専門店のため、料理ジャンルに明確な違いがあります。
そのため、九州の消費者は家庭的で馴染みある味付けを好んでいることから、サイゼリヤが地域に浸透しにくい理由の一つとなっています。
地域に根付いたチェーン店の強みとは?
ジョイフルは地域のイベントをサポートしたり地元の食材を積極的に使ったりと、地域と深く関わりながら店舗を運営しています。
この地域密着型のスタイルが、地元の人々から厚い信頼を得る要因になっており、新規参入を難しくしています。
九州の消費者が求める「地元の味」とは?
九州地方の消費者は、地元の食文化や味に近い、家庭的な料理を好む傾向があります。
そのためイタリアンが中心のサイゼリヤは、九州で受け入れられるための工夫が必要になるでしょう。
サイゼリヤが九州地方に進出するために必要な工夫とは?
九州地方でサイゼリヤが成功するためには、地域の特性を取り入れたメニュー開発や地元との連携など、地域密着型の取り組みを行う必要があります。
ジョイフルとの明確な差別化や、地域住民のニーズに合った取り組みが今後の課題になりそうですね。
全国チェーンが観光地で敬遠されるのはなぜ?
観光地の地元グルメ文化が全国チェーン進出の壁に?
サイゼリヤのような全国展開しているチェーン店でも、長崎県や沖縄県といった有名な観光地では店舗がほとんどないという状況があります。
旅行客の多くは「その地域ならではの食事」を楽しみたいと考えるため、地元料理を提供しているお店に足を運ぶ傾向が強いです。
長崎県ならちゃんぽんや皿うどん、佐世保バーガーといった名物料理が非常に人気であり、沖縄ならソーキそばやゴーヤチャンプルー、タコライスなど地元ならではの飲食店が注目を浴びています。
そのため、イタリアンをメインとしたサイゼリヤなどの全国チェーン店は、観光地においてはなかなか定着しにくい傾向があります。
観光客の「せっかく地元に来たのだから、普段食べられないものを味わいたい」という心理に加えて、地元自治体が地域の飲食店を積極的に支援していることも、チェーン店の進出が難しくなる要因となっています。
長崎・沖縄に見る観光地独自のグルメ文化
長崎県や沖縄県は、個性的で豊かな食文化を持つ地域です。
長崎県には「ちゃんぽん」「佐世保バーガー」「カステラ」といった、全国的に知名度の高い郷土料理がたくさんあります。
旅行で遠方から訪れる観光客にとって、これらの名物料理を味わうことが旅の醍醐味の一つとなっています。
また、沖縄県も「沖縄そば」や「ゴーヤチャンプルー」「タコライス」といった独特の料理を提供する店が多く、こうした地域性の強い料理が多いことから、イタリア料理を中心にするサイゼリヤのようなチェーン店は参入が難しいのです。
観光客が地元店を選ぶ本当の理由は?
旅先で観光客が食事を選ぶ際、最も重要視するのは「地元らしさ」です。
特に最近はSNSで映えるような個性豊かな料理を提供する地元のお店が大人気です。
全国どこでも食べられるチェーン店は、「せっかくの旅行だから別の機会に」という意識が強くなりがち。
そのため、観光地では全国チェーン店が定着しにくくなっています。
沖縄の飲食店事情から見るチェーン店進出の難しさ
沖縄県の場合、物流の課題だけでなく、飲食業界自体の競争が激しいという背景もあります。
那覇の国際通りなど人気エリアには地元料理の専門店が集中し、飲食店同士の競争が非常に厳しいため、新しくチェーン店が出店し成功するのは難しい環境です。
加えて小規模な家族経営のお店が多く、地元飲食店からの反発も予想されます。
そのため、チェーン店が沖縄で定着するには物流以外の課題も多いとされています。
観光地で成功するチェーン店の共通点とは?
ただ、観光地でも成功している全国チェーン店は存在します。
それらのお店に共通しているのは、地元産の食材を積極的に使用したり、地元ならではの限定メニューを提供したりと、「地域の特色」を上手に取り入れていることです。
つまり、観光客はチェーン店かどうかよりも、「その地域ならではの料理」を楽しみたいと考えているのです。
サイゼリヤが観光地で成功するには、地域のニーズを的確にとらえることがカギになるでしょう。
サイゼリヤの出店戦略から見える人口と収益性の関係
人口密度が出店に大きく影響
サイゼリヤのようなファミリーレストランが出店を検討する際に重要視するのは「人口密度」です。
多くのお客さんを効率よく獲得するためには、一定の人口規模が不可欠になります。
そのため人口密度が低い地域では、出店を慎重に検討する傾向があります。
人口が少ない地方都市だと、集客の確保が難しく経営リスクが高くなるため、出店が進みにくくなります。
高知県でサイゼリヤが進出しない理由とは?
四国地方の中でも特に人口が少ない高知県は、サイゼリヤがまだ店舗展開をしていない地域です。
人口が少ないことに加えて、地元で長年営業を続ける飲食店も多いため、新規に参入するハードルが高いのです。
つまり、高知県の場合は人口規模のほかに、地元特有の食文化も参入を難しくしている理由だと言えます。
収益性を重視するサイゼリヤの経営戦略
サイゼリヤが最も重視する経営戦略は、「低価格で商品を提供しながら利益を出せること」です。
地方の店舗は顧客数が少ないため、利益を上げにくくリスクが高いのです。
そのため、出店に対しては慎重な姿勢をとらざるを得ません。
なぜ人口が少ない地域への出店は後回しになるの?
人口が少ないエリアは後回しになりやすいのが飲食業界全般に共通しています。
一定の集客が期待できないと出店コストを回収することが難しくなるためです。
サイゼリヤも同様の理由で人口密度が低い地域への出店を後回しにしています。
今後、人口減少が進む地域への出店の可能性は?
一方で、人口減少が進む中でも、地方都市における出店が再評価される動きが出てきています。
地方でも、地域の中心的なエリアにおいて集客が見込めれば、利益を確保することが可能だからです。
今後、サイゼリヤが地方への出店戦略をどのように進めていくのか注目したいところですね。
沖縄の物流コストが高い問題とは?
沖縄県に全国チェーン店が少ないのはなぜ?
全国展開しているチェーン店の店舗が沖縄県に少ない大きな理由のひとつは、「輸送コストが非常に高い」ことにあります。
沖縄は日本本土から離れた島々で構成されているため、日用品や食材を運ぶには、船便や空輸を使う必要があります。
そのため、輸送費が他の地域よりも非常に高くつきます。
この輸送コストの増加はそのまま商品の価格に反映されてしまうため、特にサイゼリヤのような低価格を売りにしたチェーン店にとっては、コストを抑えるのが難しく、出店のハードルが高くなっています。
また、台風などの悪天候が頻繁に起こる沖縄では、配送の遅れが起きやすく、生鮮食材の安定供給も難しいことから、出店に慎重になるチェーン店が多いのです。
沖縄特有の物流事情とは
沖縄県の場合、基本的に本土からの輸送方法は船便または航空便に限られています。
船便は価格が安めですが、時間が非常にかかります。
一方、航空輸送は素早く届けられる一方で、運賃がかなり高額になります。
さらに沖縄は夏から秋にかけて台風の影響を強く受けるため、悪天候の時期は物流が途絶えてしまうことも頻繁にあります。
これら複雑な輸送事情が重なり、沖縄県の物流コストが高騰しています。
特にファミレスのように鮮度を重視する生鮮食品を扱う業態では、安定した物流確保が難しいことが出店の大きな壁となってしまうのです。
沖縄を含む離島地域に共通する食材調達の難しさ
こうした課題は沖縄だけではなく、他の離島エリアでも共通して存在します。
食材や日用品を調達するために高いコストや手間がかかるため、均一価格で全国展開するようなチェーン店が離島地域に進出するのは容易ではありません。
特にサイゼリヤのような全国で一定のメニューと価格を維持する必要があるファミリーレストランは、大量に効率的に食材調達が必要です。
そのため、沖縄のような輸送コストの高い地域では採算がとりにくく、出店をためらう傾向があるのです。
沖縄進出に成功しているチェーン店の秘訣とは?
一方で、沖縄県でも順調に店舗を展開している全国チェーン店があります。
たとえばマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファストフードチェーンは、沖縄県で成功を収めています。
こうしたチェーン店が沖縄で成功している理由は、輸送効率化や物流の工夫を徹底していること、また沖縄ならではの限定メニューを取り入れるなど、地域特性を活かした取り組みを積極的に展開しているからです。
地元企業との提携を通じて食材調達ルートを安定的に確保するなど、地域とのつながりを大切にしていることも成功のポイントとなっています。
もしサイゼリヤが沖縄に進出することを考えるのであれば、こうした成功事例を参考にして戦略を練る必要があるでしょう。
サイゼリヤが沖縄に進出する日は訪れる?
今のところ、サイゼリヤの沖縄進出について具体的な計画や情報は明らかになっていません。
ただ、今後沖縄の人口が増えたり、観光客数がさらに伸びたり、あるいは物流環境が改善されることがあれば、状況が変化する可能性もあります。
特に沖縄は国内外からの旅行客も多く、マーケットとしての可能性は決して小さくありません。
沖縄県内の環境が今後さらに整備されれば、サイゼリヤもいよいよ沖縄進出を検討する日が来るかもしれませんね。
沖縄県民にとっても待望のサイゼリヤの店舗が実現することを楽しみに待ちたいですね。
まとめ
サイゼリヤがない県がある背景には、地元企業との競合、地域独特の食文化、人口密度や物流コストの問題など、さまざまな理由があることがわかりました。
しかし、近年ではこうした未出店地域にも少しずつ変化が訪れています。大分県への初出店が決定したように、今後も地方や離島地域への出店が加速する可能性は十分にあります。
サイゼリヤがまだ出店していない地域にお住まいの方も、近い将来、おいしいイタリア料理を楽しめる日が来るかもしれません。